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2007年10月28日 (日曜日)

金沢大学時代の兼六園

009僕が大学生の頃、金沢の兼六園は入場無料だった。入り口が何箇所かあるのだが、当然ながらどこからでも気軽に入れた。また、当時の金沢大学は、医学部・工学部等を除いて道路ひとつ隔てた金沢城跡地の中にあり、授業の合間に散歩することも出来た。あの頃の金沢大学生は、おそらく日本一の環境に囲まれていたと言っても良いだろう。

その頃の想い出はいくつもあるが、その中でもっとも「くだらない」ものをひとつ。くだらないと言うより今なら「犯罪」に近いのだが。

当時、大学生は今ほど自動車を持っていなかったので、僕も友人の多くも行動は徒歩か自転車だった。そんなある友人の一人となぜか「真夜中の散歩」を時々やった。たとえば夜2人で酒を飲んでいて、「今日は北へ向かってみるか」と能登方面へ向けて歩き出す。そして朝が近づく頃、金沢へ引き返す。意味も無いただそれだけのことだった。

ある夜、散歩のとき友人が「●●さんに会いたい」と言う。友人が片思いをしていた女性だ。酒の勢いもあり、彼女のアパートの前まで行った。時間は朝の6時頃になっていた。しかしドアをノックする勇気が無い。それで50mくらい離れたところに立っていると彼女が出てきた。もう大学へ向かう時間だった。歩き出した彼女に100mくらい離れてついていった。今で言う「ストーカー」のような状態だ。彼女は通学に兼六園の中を通る。その方向の学生はほとんど兼六園が通学コースに入っていた。

兼六園の中に入ったということは、大学はもうすぐだ。「どうする?」と僕は友人に聞いた。告白するなら早くしないともう時間が無い。友人は迷っている。それでも彼女に近づき、20mくらいまで迫っただろうか。友人は小声で「ダメだ。言えない」と言った。彼女は兼六園を出て、大学に入っていった。僕と友人はもう歩くのをやめ、兼六園の中でただボーっと座っていた。あのときの兼六園は、友人を慰めているように静かだった。

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