« 「1ポンドの福音」 | トップページ | 駄目 »

2007年12月13日 (木曜日)

公約違反


今日の国会で、福田首相は、自身が13日の参院外交防衛委員会の中で、「宙に浮いた年金記録」の照合作業の遅れは、自民党が7月の参院選挙で掲げた公約に違反していないと発言したことについて、「正直申しまして、公約でどう言っていたのか、ちょっと頭にさっと思い浮かばなかったからそう言った」という趣旨の発言をしたらしい。

「宙に浮いた年金記録」5000万件を来年の3月までにきちんとするというのが公約でないというのなら、選挙で自民党の議員全員が言っていた「必ずやります」という発言は何なのか。安倍総理(当時)は「最後のお一人、最後の一円までお支払いする」」と言っていたが、選挙が終わればもう公約でないのなら、まず「公約」という単語の意味を、全ての辞書・辞典作成業者に指示して、「実現する気はさらさらないが、選挙期間中だけ、投票して欲しくて、国民につく嘘のこと」とでも書き直させてからにしてほしい。町村官房長官の「選挙中なので簡素化して言ってしまった」という発言には、選挙の時には言いたいことを好き勝手に言ってもいいんだという政治家の本音が表われていて、ある意味、拍手をしたいくらいだが、記者会見の場で官房長官が言うことか。

照合困難な記録が4割近くにのぼり、そのうち945万件について特定が極めて困難という問題で、舛添厚生労働大臣は12日の衆院厚労委員会で、コンピューター上の記録と原簿の紙台帳との照合作業について、「社会保険庁の後継組織ができる時(2010年1月)には解決する決意で全精力を挙げたい」と発言し、今後2年以内に完了させる考えを示したそうだが、期限が来年の3月から大幅に後退したが、それでも、できればまだしも、「特定が極めて困難」の記録も時間が経てば特定できると言うのか。照合困難な記録1975万件のうち、945万件は入力ミスなどによるもので、持ち主を特定するには、紙台帳にさかのぼって一つずつ確認することが不可欠なのだが、国民年金の紙台帳は多数がすでに廃棄されているうえ、古くて判読できなかったり、戦災で消失したりした紙台帳もあるという。こんな照合不可能な記録をどう解決するというのか。選挙で舛添大臣は「最後の一人、最後の一円まで確実にやる」と公約していたではないか。それが、11日の会見では「できないこともある」とあっさり認め、さらには「完全にできるとは言っていない」と開き直る始末。とにかく、この数日は、改めて「選挙の公約とは何か?」ということを考えさせてくれる良い機会にもなっている。

しかし、個人的意見を言わせてもらえば、「公約違反かどうか」なんてことは、ある意味、問題ではないのだ。要は、「照合困難」というものをどう処理するかだ。データの復元が本当に不可能であるなら、受給資格者による自己申告という手段がいずれ避けられなくなるとは思うが、今までのお役所仕事のやり方からして、「本人が資料を完全に揃えられないのなら支給しない」というのは今から目に見えている。また、役所のほうから「あなたにはもしかしたら、貰えるはずの年金がまだあるかもしれませんよ」とは絶対に言わない。あくまで、個人の申告を待ち、それを「こいつは不正受給を狙っているな」と疑いの視点で「審査」し、完璧でない部分に難癖をつけ、結果として殆ど支給しないのは今から明らかではないか。

野党も「自民党の公約違反」を追及するのもけっこうだが、国民の誰もが納得できる解決策を提案できないものか。国民の生活、特に裕福ではない大多数の国民にとって、年金は文字通り「死活問題」なのだ。「データが無い以上、できないものはできない」という考えなら、そして、国民の生活のことより「今が自民党を叩く絶好のチャンスだ」という考えが先にたっているとしたら、あなたがたにも政治家としての資格なんて無い。

|

« 「1ポンドの福音」 | トップページ | 駄目 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/484088/9388514

この記事へのトラックバック一覧です: 公約違反:

« 「1ポンドの福音」 | トップページ | 駄目 »