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2008年4月26日 (土曜日)

飛ぶように売れるから …

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魚介類、カニ、塩干類の仕入れ、販売の仕事をしていた頃のこと。その店は、スーパーではないが、カニをゆでる装置や揚げ物を揚げるスペースもあった。魚は基本的にはそのまま販売するが、もちろんお客様の要望で、三枚におろしたり、刺身に切ったりもした。そして、寿司のコーナーもあったからそのネタにも使った。そのほか、煮物や唐揚げなんかに調理して販売することもあった。

その店は海水浴場のすぐそばにあり、近くのスーパー銭湯などとともに、「リゾート施設」に組み入れられていた。夏場には、貝類がよく売れる。若者が浜でバーベキューをするのに買っていくのだ。足りなくなったらまた買いに来るという近さだった。サザエ、ホタテ、ハマグリ、etc. そして、バーベキューでなくても、手軽に食べれるものがよく売れる。「浜焼き」というコーナーもあったのだが、このコーナーが一番季節変動が大きかった。

この夏場に人気の浜焼きコーナーで、ある年、手ごろな大きさのカレイを唐揚げにして売ってみた。海水浴客が毎日のように訪れるようになった頃だ。揚げるのは僕が担当した。僕は本来は「鮮魚担当」なのだが、浜焼き担当が急にやめてしまったのだ。そして、このカレイの唐揚げは「売れた」。海水浴客ばかりでなく銭湯帰りの集団も買っていく。他の揚げ物も揚げなければならないので、10時くらいに揚場に入ると、夕方までほとんどそれにかかりっきりという感じになってしまった。まあ、鮮魚のほうは、僕より魚に慣れている者が何人もいたので任せた。飛ぶように売れるから、ほとんど接客もしない。ひたすら揚げ続け、売り場に顔を出すのはお客が減った夕方になる。

ここまでの話なら、ただの仕事の話だが、書きたかったのは別のこと。それは「お客様の服装」なのだ。書いたように、場所は海水浴場に隣接しているのだ。バーベキューの材料を買いに多くの若者が訪れるのだ。そうなのだ。そんな彼らは水着なのだ。

もちろん、「普通の服装」の人間のほうが多い。それでも浜茶屋でもない一般の魚屋の店頭に、10人に一人は水着姿の客が来るという魚屋はそう無いだろう。ビキニ姿の女の子に「おまけして」と頼まれるとすぐにおまけしてしまう僕としては、これはその職場での「夏限定」のささやかな楽しみでもあった。それが揚場にこもりっきりになることで奪われてしまったのだ。

魚の仕入れは僕が担当していた。早朝、暗い中、「金沢中央卸売市場」で、仕入れる魚を物色しながら、「今日は唐揚げにする材料は減らそうかな」とも思った日もあったのだが、やはり「これは売れる」と思えば、店の売り上げを考えるとどうしても買ってしまう。こんなとき「仕事に真面目な性格」というのも損をする。

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