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2008年4月24日 (木曜日)

同伴

     
     
10年くらい前の話。
    
よく利用したスナック・パブがあった。カウンターにいる女性と電話交換した。普通、男はそんな時、こちらから電話で「昼のデート」に誘うのかもしれないが、僕は特にその気は無かったので、かけないでいたのだが、ある日電話がかかってきた。「美味しい店を見つけたから一緒に食べに行きましょうよ」
     
特に予定も無かったので誘いに応じた。待ち合わせの時間は17時。「夕食には少し早いな」と思ったが、彼女には、その後に仕事がある。連れられて行ったのは小料理屋。刺身が旨かったが、特に「見つけた」というほどのことも無い。二人ともお酒が好きなのでよく飲んだ。19時近くになり、「仕事があるんだろう? そろそろ出ようか」と言うと、「大丈夫。同伴の場合、1時間くらいは遅れていいの」
    
いつのまに同伴することが決まったんだろう?  しかし、すっかりその気で、腰を落ち着け次の料理を注文する彼女に「しないよ」とは言えず、その場を壊したくも無かったので、仕方なく付き合った。彼女はよく食べた。高い店ではなかったが、かなりの金額。そこはもちろん払う気で来ていたが、「次の店」は考えていなかった。それでも「まあいいか」とその日は終わった。考えてみれば、「同伴」が無ければ彼女が僕を誘う動機も無い。店ではさも親しげにしゃべっているが、それでうぬぼれるほどの世間知らずでもないから、もっと早くに気づくべきだった。
   
1ヵ月後くらいに、また電話がかかってきた。今度は僕も同伴込みをわかって応じた。お客の少ない曜日なので、店の方針があるんだろう。頻繁でなければいいかなと思った。ただ、「よく食べる」のは勘弁して欲しい。値段を気にせず好きなものを山ほど注文して、「ごちそうさま」とにっこり笑うだけですむのは、少しは個人的に親密になってからだろう。そして男が「一緒に食事できるだけでもありがたい」と思えるのは、はっきり言って、「もう少し美人」の場合だ。
   
それから、しばらくして「富山の温泉に一泊で鮎を食べに行こう」と誘われた。出川哲朗とバナナマン日村を足して2で割ったような容姿の僕が、友人でスナックのアルバイトをしていた女性を除き、「水商売の女性に一泊旅行に誘われる」という経験は、過去の人生でこの女性だけだ。そして、僕はこの誘いを断った。さすがに「何も無い」ことは無いだろう。普通の男なら喜ぶべきかもしれないが、僕はそのことで「同伴」が週1回とかそれ以上になる義務を負ってしまうことが嫌だった。はっきり言ってお金が有り余っているわけではない。そして、最も大きな理由は、僕が彼女に一般の女性に対するもの以上の好意は持っていなかった。彼女もそうだろう。そんな二人がそうなることには、少なくとも僕には何のプラスも無いことだった。
   
彼女が別の店に移っていってから、その店で別の女の子達に「残念でしょう」「寂しいでしょう」と言われたが、僕は正直言ってほっとした。その女性からは新しい店に「来て」という電話はもちろんかかってきたが、僕は一度も行かなかった。そんな義理は無い。
      
      
     

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