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2008年5月23日 (金曜日)

映像を残そうとする人

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中国の四川省での地震の被害はひどい。建物の構造とか詳しいことはわからないが、ここまで大きな被害となった原因は、やはり地震のエネルギーの大きさだろう。連日のニュースの報道は、見ていてつらい。

さて、先日のテレビで、地震直後の建物内部の映像が公開された。多くの人々が逃げ惑い、血を流し、悲鳴を上げ、「助けて!」「助けなければ!」 の怒号が飛び交っている。かなりの人数だ。一刻も早い避難と救助が求められている。悲惨な映像だ。…… と、言いたいが、このビデオを撮った人に聞きたいことがひとつある。多くの人が助けを求めているのに、あなたはビデオを回している。当然ながら、他の人を助ける行動はしていない。逃げようとしている人がカメラにぶつかっている。あなたは、「逃げ道」で、その避難の邪魔になっている。そして、この映像が報道機関に渡ったということはどういうことなのか。いくらで売りつけることに成功したんですか?

「報道」は必要だろう。今後の教訓にもなる。しかし、報道関係の仕事に就いているかどうかに関係なく、「事件の現場」をビデオやカメラに撮ろうとする人は多いが、目の前の助けを求めている人に手を差し伸べずにただ映像を撮ろうとする意図は何なのか?

状況によっては、「何もできない」だろう。20階建ての火災の起こっている高層ビルに取り残された人に、あなたたちができることは何もない。しかし、「野次馬」も含め、現場はごった返している。救助活動にはけして良いことではない。救急車に怪我人が運ばれるシーンで、消防隊員が「邪魔だからどいてください!」と叫ぶ映像は何度も見ているが、そこで邪魔になっている人はほとんどがカメラや機材を持った報道関係者だ。あなたがたは、「救助しやすい環境を作る」ことよりも、「他局に負けない衝撃映像」が大事なのか?

繰り返すが、「報道」は必要だろう。今後の教訓にもなる。しかし、救助を求める人にとって、100kmも離れた家族や友人より、今、そこにいるあなたの行動が生死の鍵を握っているのだ。「こんな悲惨なことは二度と繰り返さないように」とアナウンサーが沈痛な顔でしゃべりながら、「当局だけのスクープ映像です」とも言う頭の構造がわからない。

中国の地震直後の映像を撮った人にもう一度聞く。その映像を撮らずに、瓦礫のひとつも取り除こうとは思わなかったのか?

     

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