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2008年6月 6日 (金曜日)

公務員の給与・待遇について

     
僕のブログのある記事に、友人よりコメントが寄せられた。それで、そのことについて少しだけ書いていきたい。なお、「記事にコメントがついた」といっても、記事の内容とは無関係なので、その記事はどうでもいい。
     
まず、友人のコメントは以下のとおり。
     
大阪の公務員の給与をカットする話題があって、橋下のばかやろう、って僕達は言っているんだけど、ネット上では、いわゆるネトウヨの連中が、「公務員攻撃」のお先棒をかついで、「民間はもっと苦しい」「いやなら公務員やめろ」「公務員に責任があるから責任取れ」「橋下ガンバレ」みたいなブログが横行している。めっちゃ腹が立つ。君は、今失業中だが、やはり「公務員はがまんしろ」的な発想かな? 僕が大阪に就職したとき、石川の教員とはけっこう差があって、大都市の分だけ物価も違うからそうなのかな、と思っていたが、今や、全国最低の公務員賃金に転落しようとしている。僕自身、そんなに生活が苦しいとも豊かだとも思ったことはないが、少しずつベアであがってきた賃金を訳の分からない輩に攻撃されるのは、やりきれない思いがある。低位平準ではなく、「公務員並の給与」にみんながあがっていくのが理想なのだが。(昔は「民間並の賃金を保証せよ」と僕らはいっていたものだが)
     
彼は、大阪で地方公務員をやっている。だから、今、ニュースで話題の橋下知事の「財政再建案」の矢面に立たされている人間の一人だ。
     
ちなみに、この「財政再建案」について、マスコミの記事を引用させてもらうと、以下のようなものがある。下の例は「asahi.com」の6月5日の記事だ。文章中の一部を青い文字にしたのは僕で、友人のコメントに特に関係する部分だ。
     
橋下知事、人件費など665億円削減 財政再建案を発表

2008年06月05日19時27分

大阪府の橋下徹知事は5日、1100億円の財政再建案を発表した。今年度予算で事業費と人件費計665億円の歳出削減に踏み切り、財源不足の185億円は府債発行で補う計画だ。府議会各会派は歳出削減の圧縮を求めており、予算案を審議する7月臨時議会に向け、内容の修正を求めていく構えだ。

9年連続の赤字決算という全国最悪レベルの財政構造からの脱却をめざす橋下知事は、今年度の財源不足額1080億円を補う収支改善目標を1100億円に設定。一般施策経費と建設事業で320億円、人件費で345億円の計665億円を削減。府有施設の売却などで435億円の歳入を確保するとした。

一般施策の削減では、主に他府県と比べた助成水準の高さや市町村や民間との適切な役割分担の観点から事業を精査。私学助成に切り込んだほか、建設事業も原則2割削減の目標を打ち出した。職員の人件費は基本給を3年間カットし、削減幅は知事30%、管理職16~12%、非管理職10~4%としている。都道府県で初めて退職手当も部長級以下で5%削る。基本給は都道府県で最下位になる見込みだ。

大幅な歳出削減にもかかわらず185億円の財源不足が生じるため、退職手当債185億円も発行する。ただ、景気減速のあおりで今年度の法人2税は見込みより300億円以上下回る可能性があり、今後も厳しい財政運営を迫られるのは必至だ。
    
さて、次に、「僕」という人間はどういう人間かということを少し明らかにする必要がある。僕はいくつか仕事を変わり、現在は膝の病気もあって、友人のコメントにもあるように「失業中」なのだが、職歴で最も長いのは「労働組合の専従書記」というものだ。この仕事を選んだことからもわかるように、「労働者の権利」というものについて、普通の人よりも敏感であることは事実だ。
     
僕は、このブログで、1月17日に「5000万署名」という記事を書いている。かなり長文なので、不本意だが全文掲載はあきらめ、、その一部を抜粋し、以下に再掲する。青い文字や赤い文字は、上の記事と同様に、彼のコメントに関係が深い部分だ。
     
…… 国鉄労組の「5000万署名」の記憶である。「5000万署名」というのは、今のJRが国鉄だった頃、「国鉄の分割・民営化」反対のため、国鉄労働組合が中心となり、総評の支援も受けて全国的に取り組まれた署名活動で、目標とした5000万人には届かなかったが、3600万人という署名運動史上最高の署名数を獲得した。それでも、その民意は反映されなかった。
    
…… 数年前、小泉内閣での「郵政民営化」法案のためだけの総選挙において、小池百合子等の「刺客」を使った小泉自民党が圧勝した。僕は自民党の「郵政族議員」に肩入れする気はもうとう無いが、あのときの投票した国民の心理として、詳しい内容を知ろうともせず、「民営化」イコール「良い事」という意識があることを、残念に思う。「公務員」という言葉から来るイメージとして、「お役所仕事」「身分と収入の安定」等があるだろうが、「働かないで権利ばかり主張する」という攻撃は、マスコミ等も、ごく一部の事例を全てのことであるかのように「これが真実だ」と報道し、「みなさん、公務員って、遊んでいて高い給料を貰っているんですよ」と国民の意識に植えつける。今の「年金問題」でも、自民党が作業の進まない理由に「労働組合が権利を主張ばかりして、仕事をしない協定ばかり締結しているからだ」と、社会保険庁の職員個人やその職員の作る労働組合を非難する。
     
…… そして、国鉄とJRは別会社とし、JRに国鉄職員の採用義務はないものとして、国労組合員をJRから意図的に排除した。
   
……また、国労組合員だけを「余剰人員」であるとして「人材活用センター」に隔離した。そのセンターは「人材活用」とは名ばかりで、草むしりなどの業務につかせていじめ抜くのが目的なのだが、当時の「国鉄の膨大な債務は職員が多すぎるから」という宣伝が効を奏していたため、国民の中には、「余剰人員がJRに採用されないのは当然」という意識が浸透してしまっていた ……。

……「民営化」イコール「良い事」の意識を持っている人は多いだろう。「官公庁」という単語だけで人は良くないイメージを持ってしまう。ちょうど、僕のようなスケベなおじさんが「女子大生」という単語を聞くだけで、良からぬことを考えてしまうのと同じだ。しかし、僕たちは、「官公庁」「公務員」の仕事の中身ややり方をどれだけ知っているだろう。それが民営化されるとどういうメリットが生まれるのだろう。「合理化」?言うのは簡単だが、どこの部署のどういう部分をどう合理化すべきかきちんとした知識を持ち、考えて言っていますか?「民間なら首切りや失業があるのに、公務員は雇用が保証されている」からというのでは「合理化」の理由にはならない。それは単なる「やっかみ」だ。そこで働く者の意識として、職務怠慢の原因となる「可能性」は否定しないが、雇用が保証されていることと職務怠慢とは別の次元の話だ。「可能性」と「現実」を全て同じに論じることはできない。極論が過ぎるかもしれないが、そんなことを言っていたら、「可能性」だけなら、全ての人には「殺人者」になる可能性がある。そう言われて、何もしていないのに逮捕されたり投獄されたりしても良いと考えていますか?

…… 僕は、別に公務員を擁護するつもりは無い。また、僕自身、働いていた会社がつぶれたり、「要らない」といわれてリストラされた経験を持っているから、雇用の安定は本当にうらやましいと思う。
だけど、「うらやましい」という感情だけで、公務員を否定したいとは思わない。

…… 「国鉄の分割・民営化」が進められようとした時期、国鉄労組に加盟する職員は遊んでばかりいると本当に思っていた人たちに聞きたい。あなたは国鉄の職場の何を知っていたのかと。
   
     
さて、「引用」ばかりが続いたが、これからが、やっと、この記事の本題。
     
友人の「やはり「公務員はがまんしろ」的な発想かな?」という質問に対する回答だが、僕の「5000万署名」の記事中にある「「合理化」?言うのは簡単だが、どこの部署のどういう部分をどう合理化すべきかきちんとした知識を持ち、考えて言っていますか?」というのが、僕の考えに一番近い。
   
僕は大阪の財政事情を知らないのだ。
     
だから、大阪府の財政が破綻した原因も、実情も、何もわからない。マスコミの報道で「●●円の借金」といわれても、それをどう解決すべきかなんてことがわかるわけが無い。「支出を減らさなければならない」ことは、君も否定しないだろう。赤字財政の原因が、大阪固有のものか、国政レベルの問題も絡むのか、それすらも知らない僕だが、「今までどおりのお金の遣い方をしていれば自然に借金が減る」なんてことは、小学生でも考えないだろう。問題は、どこを削減するかなのだが、僕は「どこの部署のどういう部分をどう合理化すべきかきちんとした知識を持」っていないから、それはわからない。国政レベルで言わせてもらえば、僕は日本の「軍事費」、日米安保条約にもとづく「思いやり予算」、近いところではイラクでの給油活動等に関し、「何で税金をそんなことに」という考え方に立っている。だから、それらを削って地方財政にまわすという考え方もあるが、とりあえず今の「話題」には問題が大きすぎる。
    
君のコメント「民間はもっと苦しい」「いやなら公務員やめろ」「公務員に責任があるから責任取れ」「橋下ガンバレ」みたいなブログが横行している。… に関しては、「5000万署名」の記事にも書いてあるとおりだ。公務員の「身分の安定」は事実だ。事実だが、それが悪いこととは思わない。「うらやましい」が、うらやましいからといって既存の権利を低下させたいとは思わない。そしてもっと言えば、公務員の職場の実体なんて知らない。自分がその場にいないのだから、「おいしいこと」も「つらいこと」も知らない。知らないことについて、悪意に満ちた推測をしようとは思わない。ただ、君ももちろん自覚しているだろうが、給与が税金から賄われていることも事実だ。僕が「アメリカに加担する軍事費に税金を使うな」と主張できるように、「税金の使い道」として、民間企業よりも注目されることも当然のことだ。大阪府民が大阪の地方公務員の給与に口出しすることは「権利」なのだ。その言い分が正しいかどうか、その言い分の根拠は何か、そういうことへの精査は必要であり、何もわからないに、ただ「悪いのは公務員だ」「公務員の給与は高すぎる」という人たちに怒りを覚えるのはもっともだとは思うが、「民間はもっと苦しい」という言葉もまた、多くの人には「事実」なのだ。一部の大企業を除き、民間で働く多くの人の給与や賞与は減少している。「だから、公務員の給与を下げろ」とは、僕は考えていないし、言わない。ただ、君も「民間はもっと苦しい」という言葉だけで腹を立ててはいけないと思う。僕は君という人間を昔から知っているから、「苦しい民間の実態なんて僕には関係無い」とは思っていないことはわかるが、労働者がお互いにばらばらでは、最終的に得をするのは、権力者であり、財界だ。
   
     
そろそろ、結論を書く。申し訳ないが、「わからない」というのが本音だ。
   
ガソリンの暫定税率の問題で、政府がさかんに「地方が困る」と言っていた。それを鵜呑みにはしていないが、公共工事がストップして、大手ゼネコンが利益を減らすことにはなんとも思わないが、結局、大手は自分たちの利益を守るために、下請けにそのしわ寄せを押し付け、最終的には現場で働く弱い労働者の生活に影響すると思うから、あの問題では僕の考え方は決まらなかった。それと同様に、「公務員の給与を減らすべきだ」とは考えないが、「このままほうっておく」とも考えないし、「では、具体的にどうする」という知識も考えも無い。あったら、橋下と選挙で戦っている。何を削り、何を縮小し、何を守るのか。全体がわからないで軽々には言えない。
    
    

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