« 水冷HDD | トップページ | 夏向けのアイテム »

2008年7月15日 (火曜日)

Kiss未満の親友⑥

Rrreeeji4545

僕と彼女との間で「男と女の会話」というような会話はほとんどなかった。この点は「冗談でお互いを婚約者と言い合っていた」という女性との関係と大きく異なる。だから雨の日に1本の傘に入る場合でも、「冗談婚約者」のほうは、傘が2本あっても、さも恋人同士のようにわざわざ1本の傘だけで腕を組んでくるが、この彼女の場合には「何で、お前と相合傘に入らなくちゃならないんだ」という彼女に、「俺だって嫌だけど、、濡れるよりはましだろう」と返すことになる。今から考えると、冗談でも悪かったと思うが、僕は彼女に平気で「ブス!」「デブ!」と言っていたし、向こうも、「短足!」「ブ男!」と言っていた。

そんな彼女が結婚することになった。僕らの若い頃、仲間の間では「実行委員会形式」の結婚式や披露宴がよく行われた。僕は10組以上の実行委員になり、仲間内では「その道のプロ」のような感じだったが、彼女の結婚式には単なる出席者にとどまった。この頃には、彼女の行動範囲が金沢を離れていたから、金沢から一人参加するのもおかしい。

結婚式の何日前だったろうか。夜に彼女から僕のアパートに電話がかかってきた。結婚が決まってからはお互いに連絡は取り合っていなかったので、それは久々の電話での会話だった。ちなみに、彼女の「声」は、顔に似合わず(失礼!)、本当にかわいい声だ。 いつものような雑談を少しした後、やや、改まった声で「ちょっと、まじめな話なんだけど」彼女が言った。

「わたし、●●日に結婚するんだけど ……」

「うん、わかっているよ。出席もするし」

「いいの?」

「は?」

「本当に、いいの?」

「……」

冗談っぽい会話は別として、たぶん、僕ら二人の間がもっとも「男と女」だったのはこの夜だろう。その後の短いやり取りは、あまりにプライベートな内容なので省略するが、数ヶ月前に彼女の結婚が決まったときに、僕は親友として心の底から喜んでいた。恋人としての意識はなかったから「誰かにとられた」という感じもなかった。だけど、結婚式数日前にこう言われ、自分でもびっくりするほど激しく動揺した。考えれば「きっかけ」はそれまでにやまほどあった。それを「きっかけ」と考えたこともあったが、僕はなぜか意図的にそのきっかけをつかもうとはしなかった。なかなかいない「何もしないが親しい異性」を失うことが恐かったのかもしれない。

披露宴には、予定通り出席した。彼女の結婚相手には初めて会った。まあまあの男前。性格の良さそうな感じだ。途中、銚子を持って、酒を注ぎに二人の前に行く。彼女のウエディングドレスはやや胸の開いたもので、ちょっとびっくりするぐらいだ。「おぉ、相変わらず、でかいオッパイやなぁ、みんなに見せたいんか?」と言うと、「うるさい、スケベ!」といつものように返ってくる。新郎はニッコリしながらも僕の言葉に少しびっくりしたようだった。ゴメンナサイ。

     

      

|

« 水冷HDD | トップページ | 夏向けのアイテム »

Kiss未満の親友」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/484088/22307492

この記事へのトラックバック一覧です: Kiss未満の親友⑥:

« 水冷HDD | トップページ | 夏向けのアイテム »