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2008年9月 8日 (月曜日)

不法投棄

      
「不法投棄」の公訴時効は、5年らしい。よって今から書くことはとっくに時効になっている。まあ、時効であっても、「人間性」が批判されることに変わりは無いだろうが。
     
若い頃、自家用車も原付バイクも持っていない頃、僕の「足」は「徒歩」or「自転車」だった。はっきり覚えていないが、自転車は3台ほど買い換えたと思う。買い替えの理由はすべて「盗難」である。あの当時も自転車用の鍵というものはもちろんあったのだが、さほど防犯意識の高くなかった僕は、ちょくちょく鍵をかけないまま、夜の片町(金沢一の繁華街)に放置してお酒を飲みに行ったりしていた。酒を飲んで自転車を運転してはいけないとは、あの当時は知らなかった。そんなことをやっていれば、いくら善良な市民ばかりの金沢市においても、自転車は盗まれてしまう。そして、ある自転車が盗まれてから半年も経った頃、ひとつの駐在所から僕宛に電話がかかってきた。「あなたの盗まれた自転車が見つかりました」という連絡だった。自転車に張ってあるシールから僕の所有だとわかったのだ。
     
電話をかけてきた駐在所は、金沢市ではなく、その北にある「津幡」という地域にあった。バス路線を調べ、住所を頼りに向かったのだが、駐在所は周りはすべて田んぼという「ど田舎」にあった。歩く距離がかなりあったから、バスを含め、行くのに2時間はかかった。そしてやっとの思いで着いたところで見たものは、チェーンも無く、後ろの車輪が見事に三角形に変形している錆び付いた自転車だった。「乗って帰る」つもりでいた僕だが、さすがに乗れない。三角形の車輪では押しても動くわけがない。「リヤカー」なんか準備していない僕には、移動する方法はただひとつ。「持ち上げて抱えて運ぶ」という方法だけだ。そして、持って帰ったところで、修理して乗れるという限界をはるかに超えている。粗大ゴミ以外の何物にもならない。
     
「あの~、こんなもの要らないので、どこかに捨ててくれませんか?」と言ってみたが、「何を言っている!うちも邪魔なんだ!持って帰れ!」と叱られただけだ。何も持たない状態でも、その位置から金沢の自分の下宿のある幸町まで歩いて帰る気はしない。まして錆び付いた自転車を抱えていたら、いったい帰るのに何時間かかるだろう? それでも仕方ないので少し歩いて休み、少し歩いて休みながら、1時間も進んでいくと、やがて周りの景色は「田んぼ」から、ポツポツと民家や小工場のある景色に変わってきた。そして、僕はそこにあるひとつの小工場の資材置き場のような場所に目をつけた。「資材」なのか「ゴミ」なのかわからないような錆び付いた太い針金のようなものが山のように積まれていたのだ。そして、その日は日曜日で、そこに人影は無かった。
      
…… そこで、僕がしたことは、当然ながら、所有者を特定できる自転車の「シール」を削り取ることだった。
        
       

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